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三 重 の 住 宅

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おおきな屋根の家

敷地は周辺に田園風景が未だ濃く残っているものの、宅地化の波が押寄せ始めている地域である。

若い夫婦と子供二人の家族が住まう場所として、まず一枚の屋根を架ける。屋根はこれまでの土地が持つ歴史、地域性、気候やそこに住まう家族のライフスタイル等、多様な環境に呼応し、これから長い時間をかけて更新を繰り返していく。

敷地の南北面に流れるこの切妻屋根は、かつての帝冠様式、モダニズム建築でのフラット・ルーフやポストモダン建築でのアイコン・ルーフ等の様式性、機能性、記号性とは異質なものとして、より「空間性」に富んだ多様な装置となる。

遺跡のように生き続けるための秩序ある「途中性」を持つおおきな屋根は、移りゆく環境を絶えず見守り続ける存在として、今後どのような変化を「紡いで」いくのか、その行く末をゆっくり見守っていきたいと思っている。

設計・監理

□竣  工:2013.09
□所 在 地:三重県多気郡明和町

□用  途:専用住宅

□規  模:地上2階 木造

□敷地面積:280.21m2

□建築面積:154.97m2

□延床面積:134.77m2

□構  造:ASD

□施  工:山口工務店

□写  真:4FA